はつゆめ 0 【初夢】
(1)その年最初に見る夢。元日の夜または正月二日の夜に見る夢。[季]新年。
(2)節分の夜に見る夢。
三省堂提供「大辞林 第二版」より
と言う訳でとりあえず乗り遅れないように見ました、長居も。
以下、ホントーに、どーでもいい話題な上、無駄に小説形式になっておりクソ長いです……。
少しひなびた感がある鉄道の駅。
冬のプラットホームには人影もまばらで、吹き抜ける木枯らしがサカサと枯れ葉を転がしていく。
長居ねこはホームの中央にあるベンチにひとり座り、電車を待っていた。
まもなくして一目で旧式と分かる電車がホームに滑り込み、長居は列車に乗り込んだ。
クロスシートの空席に座り、車内の暖かさに一息ついたその直後だった。
「あ、バッグ……」
つぶやき、視線を向けた先。駅のベンチの上にはうっかりと置き忘れてしまった長居のバッグがあった。
一瞬困惑したが、既に電車は動き出している。
────仕方がないな。次の駅で降りて取りに戻ろう。
田舎の路線なので、各停とはいえ次の駅まで暫くかかるが、それ以外に方法はない。
長居はそう考え、小さくため息をついてからシートに深く身を沈めた。
その時だった。
「田舎だから、次の電車来るの、時間掛かるよ?」
向かいのシートに座っていた見知らぬ老人の男性が呟いた。
一瞬誰に向かって話しているのか分からなかったが、内容からすぐに自分に向けられた発言だと理解した。
少し顔色の悪い痩せた老人だ。長居は老人の顔を見ながら答えを返す。
「そうなんですか。じゃ次の駅に着いたら駅員さんに頼んで、さっきの駅で荷物確保してもらっておきます」
すると老人は表情を変えないまま、更に話し掛けてきた。
「うち、駅のすぐ近所だから家までおいで。孫にでもクルマで送らせるよ」
「えっ。いえ、そんな事、わざわざいいですよ。ひとつ折り返したら済む事ですし」
すると、老人が今度は、感情を露わにして呟いた。
「儂もそう先が長くないから、人様に良い事をしたいんですわ」
その一言に、長居は困惑を最大にしたが、肩を落とし気味に、そう呟く顔色の悪い老人を無下にする事が出来ず、結局“駅からすぐ”という言葉を信じて付いていくことにした。
────もし、なんか変だったらすぐ逃げよう。
警戒しつつ田舎道を歩く長居の目の前に、そこそこ立派な瓦屋根の日本住宅が現れた。
「ここだから。おーいお客さんー」
老人が玄関の引き戸を開けながら、家人に声を掛けた途端、屋内から慌てた様子の足音が複数聞こえてきた。
「おじいちゃん、どこ行ってたの! 寝てないとアカンでしょ!」
「また倒れたらどうすんの。医者にも起きたらダメ言われてるやろ。早く横になり」
嫁や孫と思われる家族の心配な様子に反応するように、急に顔色を悪くし崩れるようにしゃがみ込んだ件の老人は布団に連れて行かれてしまった。
長居は状況が掴めず、また居場所がないまま玄関に突っ立っていた。
ややあって、中からさっきの女性が出てきた。
「お義父さんから話は聞きました。返ってすみませんでしたね」
やっと存在を認められ、ほっとしながら、長居は答えた。
「え? いいえ。あの、それよりおじいちゃん、大丈夫なんですか?」
「もう長くないんですよ。だから表にも出たいんでしょうね」
さして深刻ではない表情で女性が答えたので、長居は言葉に窮した。
「は、はぁ……。そうなんですか……」
そんな長居の答えに構わず、女性が更に言った。
「娘か息子に駅まで送らせますわ。あ、駅に先に電話しといた方がええね」
ここで目が醒めました。
………………一体なんなんでしょうか、この夢。
枕の下に七福神の絵を置いて寝なかったせいでしょうか。
ブランシュ (01/16)
ノルテ (01/16)
りる (01/16)
かがり (01/15)
蔭 (01/15)
jijsui (01/15)
あーや (01/14)
jijsui (01/14)
桐島千夜 (01/14)
jijsui (01/13)
バドー (01/13)
ぎんなん (01/13)
ばーにん (01/13)
かおる (01/13)
ぎんなん (12/28)